▼疑問

  ・適用範囲

CS-21塗布工法の適用条件

 適用範囲

  ○適用可能な範囲

   セメント成分を含むコンクリートおよびモルタルであれば適用可能です。
   (材齢は問いません)

  ○適用できない範囲

   セメント成分を含まないものには適用できません。
   (樹脂コンクリートなど)

   既に浸透性吸収防止剤などが塗布され、撥水性が付与されたコンクリートには適用できません。

  ○適用する面

   塗布方向(下向き、横向き、上向き)を問わず適用可能です。

   上向き(横向き)施工の場合、垂れ防止対策が必要です。(コテバケによる塗布など)

  ○施工時の環境

   気温

    気温5℃未満の場合、施工時の保温など養生対策が必要です。
    (施工後に0℃未満となっても問題ありません)

    気温5℃以上40℃未満の場合、適用可能です。

    気温30℃以上の場合、特に入念に散水を行うことで適用可能です。

   天候

    雨天の場合、材料が流れない程度であれば施工可能、流れる程度であれば養生が必要です。
    強風の場合、飛散防止措置が必要です。

  ○コンクリート表層部の状態

   下地コンクリートの乾湿

    乾燥状態の場合、散水を行うことで適用可能です。

    湿潤状態の場合、適用可能です。
    (表面を指で触って湿り気を感じる程度まで乾燥させることが必要です)

   付着物の有無

    付着物がない場合、適用可能です。

    付着物がある場合、材料が浸透しないため適用対象外です。
    (付着物を除去することで適用可能です)

 留意事項

  ○設計時

   注入工法によるひび割れ補修が必要な箇所については、別途処理を行ってください。

   劣化部など断面修復の必要がある箇所については、別途処理を行ってください

   施工前処理におけるひび割れ注入材および断面修復材は、無機系材料を推奨しております。

  ○施工時

   材料が、アルミやガラスなどに付着すると白華し取りにくいため、
   施工の際にコンクリート以外の部分に直接触れないよう養生などの対策が必要です。

  ○塗布後の養生

   暴露状態で、2週間以上の養生期間を確保してください。

    養生期間中は、
    @雨水や朝露により塗布面が濡れること、
    A塗布面上の歩行や車両通行、シートを敷いて資材を置くこと、
    B塗布面を土で覆うこと などは可能です

   地下水位の高い場所での地下外防水などの塗布面が常時水に触れる箇所で、
   養生期間の確保が困難な場合には、CS-21塗布後にCSフィラー#120Pを被膜することにより
   養生期間を短縮することが可能です。

   屋内環境などで、雨水や朝露などにより水分が供給されない場合には、
   湿潤養生(塗布後翌日以降の散水)を行ってください。

  ○CS-21塗布面への他工法の適用

   打ち放し仕上げを原則としていますが、養生期間(2週間以上)経過後であれば、
   表層部の緻密な通常のコンクリート面と同様として、床版防水層やはく落防止ネットの設置、
   建築の美装や駐車場のラインなどの工法が適用可能です。
   (他工法を適用する場合には、事前にCS-21工法の施工を担当するアストン協会員にご相談ください)

   経年後については、CS-21再塗布の他、各種コンクリート用補修・補強工法が適用可能です。


  ・対象ひび割れ幅

CS-21塗布工法によるひび割れ補修は、注入工法が必要ないと判断された幅0.2mm程度以下の挙動の少ないひび割れが対象となります。

日本コンクリート工学協会発刊「コンクリートのひび割れ調査、補修、補強指針-2009-」(p134)には、
含浸系材料の塗布工法によるひび割れ補修について、以下のように記載されています。

 「ひび割れ幅が0.2mm程度以下の場合にはひび割れ深部でのコンクリートの緻密化による閉塞が期待できるため、
  表面上はひび割れが閉塞していなくても防水効果が期待できる。
  しかしながら、それよりも大きなひび割れ幅の場合やひび割れ幅が変動するような場合には
  効果を期待することは難しい。」

ひび割れ注入工法が必要と判断された場合は、ひび割れの大きさに合わせてセメント系材料と組み合わせて補修します。
(ただし、構造物が拘束されている必要があります)

「CS-21シリーズ製品・工法概要」にひび割れ、漏水補修における工法選定フローチャートなどを記載しております。

 →CS-21シリーズ製品・工法概要

 →ひび割れ補修

 →止水



  ・含浸深さ

CS-21は表面より連続した空隙がある場合には、微細な空隙にまで浸透します。

含浸深さは、健全部、ぜい弱部、ひび割れ部などのコンクリートの状態により大きく差が出ます。

CS-21を含む「けい酸塩系表面含浸材」の健全部での浸透(含浸)深さの測定は、
土木学会基準:JSCE-K572 けい酸塩系表面含浸材の試験方法(案) 「6.5 含浸深さ試験」に規定されています。

CS-21の健全部における含浸深さは、「1.8mm」(JSCE-K572による測定結果)です。



  ・前処理

CS-21による施工の前処理として、施工箇所のコンクリートの表面および表層部の状況に応じて、下地処理、劣化部除去、断面修復工法を実施します。

 下地処理
  CS-21工法の適用にあたってその施工面に健全で平滑な下地を形成するため、打継ぎ部や型枠の目違い、コールドジョイン
 ト、豆板、木コン跡、浮き、漏水、断面欠損、ひび割れ、著しい凹凸、ぜい弱部などがある場合に、健全で平滑な下地とす
 るための工程です。

 劣化部除去
  塩化物イオン等の劣化因子を含有した部分や、凍害等により劣化したコンクリートを必要に応じて、除去する工程です。

 断面修復工法
  劣化部を除去した箇所および欠損箇所を、必要に応じて鉄筋等の防錆処理を行った後、適切な材料および方法で断面修復を
 実施し、元の画面に戻すための工程です。

「CS-21シリーズ製品・工法概要」にCS-21塗布工法の施工手順などを記載しております。

 →CS-21シリーズ製品・工法概要



  ・養生期間

CS-21はコンクリート中のカルシウム成分等との反応物により表層部を緻密化し効果を発揮する材料です。

そのため、反応による効果が確認できるまでには、2週間以上の養生期間が必要です。

CS-21塗布工法では材料塗布後、湿潤散水(粘度調整のための水散布)を行い、その後、暴露状態で2週間以上の養生期間を確保して頂いております。

養生期間中は、
 @雨水や朝露により塗布面が濡れること
 A塗布面上の歩行や車両通行、シートを敷いて資材を置くこと
 B塗布面を土で覆うこと などは問題ありません。

水槽内防水後の水張り、塗布面上に塗装を行う場合などについては、2週間以上の養生期間経過後に行ってください。

地下水位の高い場所での地下外防水など塗布面が常時水に触れる箇所で、養生期間の確保が困難な場合には、CS-21塗布後にCSフィラー#120Pを被膜することにより養生期間を短縮することができます。


 →CSフィラー#120P

 →CS-21シリーズ製品・工法概要



  ・付着力

CS-21は塗布浸透した部分のコンクリート表層部を緻密化させる材料です。

断面修復の際に下地処理剤として使用した場合、既設コンクリート補修箇所のぜい弱部を緻密化し、
補修モルタルの接着力を有効に発揮させます。

断面修復時の下地処理および修復材の表面保護には、CS-21シリーズ製品「CS-21クリアー」が適しています。

 →CS-21クリアー

コンクリート打継ぎ面にCS-21を塗布した場合、ベースコンクリート表層部が緻密化し、後から打ち継ぐコンクリートの付着力が有効に発揮され、打継ぎ部からの漏水を防止し、劣化因子の侵入を抑制することができます。

「写真で見る材料特性」に打継ぎ処理剤としての効果に、CS-21の打継ぎ処理実験結果を記載しております。

 →写真で見る材料特性



  ・塗装

CS-21の施工面は、打ち放しを原則とし、塗装などを上塗りをすることは推奨しておりません。

ただし、養生期間(2週間以上)経過後であれば、表層部の緻密な通常のコンクリート面と同様として、各工法(建築の美装や駐車場のライン、床版防水層やはく落防止ネットの接着など)が適用可能です。

適用にあたっては、以下の点に注意してください。

 使用する塗料や接着剤の手順に従って、サンドブラストなどの目粗し後に施工を行ってください。

 使用する塗料や接着剤の規定する表面含水率以下であることを確認後に、施工を行ってください。

 ※塗装など他工法を適用する場合は、事前にCS-21工法の施工を担当するアストン協会員にご相談ください。



  ・干満帯

潮干帯に位置するコンクリート構造物では、干潮の時間にあわせて施工を行います。

河口付近の橋梁(橋台・橋脚)表面保護やひび割れ補修などの実績があります。

 →施工実績



  ・白色化

CS-21は無色透明の水溶性含浸材のため、施工後に景観の変化はありません。

ただし、施工直後はわずかに濡れ色になりますが、時間経過とともに目立たなくなります。

※構造物の環境条件によっては、表面が白くなる場合があります。

これは材料固化や二酸化炭素との反応による炭酸カルシウム生成により白い結晶物が生成されるためです。

表層部を緻密化する効果が表面に現れた現象であり、コンクリートに悪影響を及ぼすものではなく、時間経過とともに薄く目立たなくなります。

この場合の白化物はいわゆるエフロレッセンスではないため、一般的にエフロレッセンスを差す白華と区別するために白色化(白化)としています。



  ・製品購入

施工の品質を確保するためにはコンクリートに関する知識と材料特性を熟知し、コンクリートの空隙に固形分を多く浸透させ、反応に適した条件を整えるための知識と技と管理基準が重要です。

そのため、CS-21は材料のみの販売はしておらず、アストン協会会員による責任施工を行っております。

施工依頼については、お近くのアストン協会会員、またはアストン協会事務局にご相談ください。

ひび割れ補修セット(CS-21クリアー+CSパテのセット)については、一般販売を行っておりますので、お求めの際はお近くのアストン協会会員、またはアストン協会事務局にご相談ください。

 →CS-21ひび割れ補修セット(【旧】NETIS登録番号:CG-110003-VE 活用促進技術)

 →アストン協会会員リスト



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